政府主導の「働き方改革」により、2020年から、
すべての企業において残業は「月45時間・年360時間」が上限とされてきましたが、
建設業や運送業は、その性質から5年間の猶予を設けられてきました。
その猶予が2024年3月31日で終了し、2024年4月1日より残業上限規制が実施されます。
建設業 | 建設業の場合は、災害の復旧・復興の事業を除き、 ほかの業種と同様に上限規制がすべて適用されます。 時間外労働(休日労働は含まれず)の上限は、月45時間・年360時間となり、 臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできなくなります。 臨時的な特別の事情があって労使が合意する「特別条項付き36協定」を結んだ場合でも、 ①時間外労働が年720時間以内、 ②時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満、 ③2~6か月平均は全て1か月あたり80時間以内とする必要あり ④時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6か月が限度 など、細かく上限時間等が定められています。 ※災害の復旧、復興については②③は適用されません |
運送業 | 運送業の自動車運転業務については、「特別条項付き36協定」を結んだ場合でも、 時間外労働が年960時間以内となります。 (1ヶ月80時間、25日労働だと1日3時間、20日労働だと1日4時間となります。) 建設業のような、年間労働時間以外の細かい規制は運送業には適用されません。 |
もちろん労働者の負担軽減のための措置ですが、
手取りが減る、人材が確保できないなどの問題点があります。
現場はかなり混乱し、今のところ良いことばかりではないようですが、
それでも国が法改正に踏み切ったのは「将来の担い手確保」という狙いがあるようです。
労働環境が改善されれば、建設業・運送業を希望する人が増え、
職場環境の改善につながるという側面が期待されています。
2024年問題