自社で排出した産業廃棄物を運搬する場合は許可は必要ではなく、
委託されて他者の産業廃棄物を運搬する場合に、収集運搬の許可が必要になります。
建設工事においては、発注者から直接工事を請負った元請事業者が、排出事業者(ごみを出した者)となります。
なので、元請事業者が運搬する場合には許可は不要ですが、下請け事業者が運搬する場合は許可が必要です。
廃棄物の分類
廃棄物 | 一般廃棄物(産業廃棄物以外) |
特別管理一般廃棄物 | |
産業廃棄物 (事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法令で定められた20種類) | |
特別管理産業廃棄物 |
特別管理:爆発性、毒性、感染症その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するもの
産業廃棄物の品目
燃え殻 | 紙くず |
汚泥 | 木くず |
廃油 | 繊維くず |
廃酸 | 動植物性残さ |
廃アルカリ | 動物系固定不要物 |
廃プラスチック類 | 動物のふん尿 |
ゴムくず | 動物の死体 |
金属くず | 鉱さい |
ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず | ばいじん |
がれき類 | 13号廃棄物 |
赤字:特定の事業者から排出された場合のみ産業廃棄物となるもの
太字:排出される品目として多いもの
廃棄物処理の流れ
収集運搬業の許可要件
■廃棄物を積載する都道府県と荷を降ろす都道府県、両方の許可が必要になります
■許可要件
①講習を受講するなど業務を行えるだけの知識、技能があること
②事業を継続して行えるだけの経理的基礎をもっていること
2~4の場合は追加資料が必要になります
A:経営改善計画書(借入金返済計画書)
B:中小企業診断士の診断書等
直前の貸借対照表の状況 | 直前3期の経常利益の状況 (個人は不問) | 個人 | 法人 |
1.純資産がプラス | 黒字あり | – | – |
2.純資産がプラス | 3期全て赤字 | – | A |
3.債務超過※ | 黒字あり | A | B |
4.債務超過※ | 3期全て赤字 | A | A+B |
※債務超過・・・貸借対照表の負債合計が資産合計を超えている状態
③欠格要件に該当しないこと(暴力団員、破産者等)
④適切な運搬車、運搬施設を有していること
マニフェスト制度
マニフェストとは、産業廃棄物がどのように処理されたのか明確にするため、
産業廃棄物の排出事業者がその処理を外部に委託する際に交付しなければならない専用の伝票のことで
以下のような決まりがあります。
■排出事業者は排出引き渡す際に、マニフェストを交付しなければいけない
■産業廃棄物処理業者(収集運搬・処分)はマニフェストの交付を受けずに廃棄物の引渡しを受けてはならず、
処理が終了していない状態で排出事業者にマニフェストを返却してはならない
紙マニフェストと電子マニフェストがあり、紙のマニフェストは
交付した排出事業者と、それを受け取った処理業者の双方で、5年間にわたり保管することが義務付けられています。
電子マニフェストは排出事業者から収集運搬・処理をした事業者のすべてがシステムを利用する必要があるため
なかなか導入が進まないなどのデメリットがあります。