建設業許可の専任技術者になれる資格として主なものは
やはり建設業法で定められたものになります。
その中で今回は2級建築施工管理技士についてのご説明です。
制度改正
令和3年度の制度改正により、以下のように名称が変わりました。
【旧制度】学科試験・実地試験 → 【新制度】第一次検定・第二次検定
令和3年度以降の第一次検定合格者は、国家資格として
「2級建築施工管理技士補」を名乗ることができるようになりました。
※難易度は以前と変わらないようです
また、第二次検定への受検にあたって、有効期間、受検回数の制約がなくなりました。
※令和2年度までの学科試験合格者には、有効期間内における連続2回の第二次検定を受検
可能との制約があります。有効期間は、学科試験合格通知書に記載されています。
受検日程
令和5年の日程はこちらから。1級の情報もあわせて載っています。
6月に実施される第一次検定(前期)の申し込みはすでに終了しており、
次の試験の申し込みは7/14(金)~7/28(金)で試験日は11/12(日)です。
この日程では、
・第一次検定(学科試験)/ 5,400円(受検手数料)
・第二次検定(実地試験)/ 5,400円(受検手数料)
・第一次・第二次検定(同日受検)/ 10,800円(受検手数料)
のいずれかを選びます。それぞれ願書が異なります。
再受検が認められる方は、インターネットでの申込が可能です。
なお同日受検の場合は、第一次検定の合格基準を満たさなかった場合は
第二次検定の採点は行われません。
受検資格
第一次検定(学科試験)のみ | 令和5年度中に満17歳以上となる者 |
第二次検定(実地試験)のみ | 次のいずれかに該当し、第一次・第二次検定(同日受検)の受検資格を満たす方 ・一級建築士試験合格者 ・令和2年度までの学科試験合格者で有効期間内の者 ・令和3年度以降の第一次検定合格者 |
第一次検定・第二次検定 (同日受検) | 建築工事の施工管理業務に従事した実務経験を積んで所定の受検資格を満たした方 |
2級第二次検定は受検種別が「建築」「躯体」「仕上げ」の3つに分かれており、
そのうちのいずれかを受検することになります。
●第一次検定(学科試験)※受検種別なし に合格すると
→ 第二次検定 受検種別「建築」「躯体」「仕上げ」のいずれかに進む
この第二次検定の受検種別はご自身のご希望によって選べるものではなく、
それまでの実務経験の内容によって選択できる種別が決まりますので注意が必要です。
詳しくはこちらをご覧ください。
以下は実務経験が必要になるケースの必要年数となります。
学歴 | 指定学科※卒 | 指定学科以外 | |
受検種別 建築 躯体 仕上げ が受検可能 | 大学・専門学校の 「高度専門士」 | 卒業後1年以上の 実務経験 | 卒業後1年6ヶ月以上の 実務経験 |
〃 | 短大・高等専門学校(5年制) 専門学校の「専門士」 | 卒業後2年以上の 実務経験 | 卒業後3年以上の 実務経験 |
〃 | 高等学校・中等教育学校 専門学校の専門課程 | 卒業後3年以上の 実務経験 | 卒業後4年6月以上の 実務経験 |
〃 | その他(最終学歴問わず) | 8年以上の実務経験 | 8年以上の実務経験 |
このほか、
平成16年以降の職業能力開発促進法による技能検定1級の合格者は、実務経験年数を問わず、検定職種により「躯体」又は「仕上げ」を受験することができます。詳しくはこちら。
※職業能力開発促進法による技能検定資格による「建築」への受検申請はできません。
※指定学科についてはこちらを参照してください。
取得できる建設業許可の業種
それぞれ取得できる建設業許可の業種が異なります。
ご確認の上、受検していただきますようお願いいたします。
受検種別 | 取得できる建設業許可の業種 |
「建築」 | 建築一式、解体 |
「躯体」 | 大工、とび、タイル、鋼構造物、鉄筋、解体 |
「仕上げ」 | 大工、左官、石、屋根、タイル、板金、ガラス、塗装 防水、内装、熱絶縁、建具 |
合格率
2017年~2021年の5年間の平均の合格率が
第一次検定 → 36.3%
第二次検定 → 27.4% となっていました。
しっかり勉強すれば合格できるかと思われる数字です。
合格したら
合格者の方は国土交通省へ交付申請を行うことで
・第一次検定合格者 → 2級建築施工管理技士補(1級建築施工管理技士補)
・第二次検定合格者 → 2級建築施工管理技士(1級建築施工管理技士)
の合格証明書が国土交通省より交付されます。
2級施工管理技士補はそれ自体が主任技術者となることができたり、経営事項審査の加点となるものではありませんが、就職の際有利にはたらくなどの利点があるようです。